柔構造
柔らかい構造とすることで、地震力をかわし、粘りで抵抗する構造のこと。背の高い構造物や塔状の構造物は、一般に、長い周期で揺れる特性をもつ。専門的には固有周期が長い構造物という。このような構造物では、周期の短い地震力が作用しても、柳に風のごとく、柳に枝折れ無しで、地震力が入りにくい。初期の超高層ビルなどは、これらの特性を生かして設計されてきた。しかしながら、周期の非常に長い地震動(長周期地震動)では、通常の周期の短い構造物と同様に共振現象を起す可能性がある。過去には、そのような長周期の地震動の存在はあまり知られていなかったが、近年の観測技術や観測網の発達により、長周期地震動の存在が認識、クローズアップされてきた。十勝沖地震でのタンクのスロッシングによる液漏れ・火災も、長周期地震動によるものである。柔構造とはいえ、長周期地震動と共振すれば構造部材が損傷したり、上階にいくほど、大きな変位でゆれることになる。長周期地震動はまた、繰り返し回数が長く、長時間つづく傾向にあり、何分間も大きな揺れにさらされる可能性がある。最近は、柔構造に変位が大きくなった場合に、ダンパーなどが作用して大きな変形を生じさせない制振(制震)構造として、対応されてきている。
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